小学校低学年で1万まで数えられる友達
僕が子供のころの話なんですが、小学校低学年のころです。
友達が言うんですよ。
「俺は数字を1万まで数えられる」
って。
当時の僕は小学校低学年の人間が数字を1万まで数えられるという事実に驚愕したわけです。早速、じゃあ数えてみてくれ!って言いました。
その場で友達は数を数え始めました。
数を数えるって言っても、人が数えている数字をずーっと聞いていても飽きてくるんです。当然1万なんて数字はそう簡単に数え終わらない。
とりあえずお昼になったので、それぞれ家に帰ってまた午後に落ち合うことにしました。
当然ながら午後になって聞くんです。今どの辺りまで数えた?って。
そうすると2000だっていうわけですよ。まだ2000かぁ〜。先は長いなぁ。でも僕が数えたとしたらきっと1000も持たずに飽きちゃうだろうな。
よく子供が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10ってひたすら10までを連呼して数えるやり方がありますよね?
あの数え方は無しだ!というルールなのでちまちまと友達は数を数えていきました。
夕方になった時点でも、まだ1万までは到達していない。
結局その日の夜に分かれて朝になって聞きました。
「1万までかぞえられた?」
「うん。夜に1万までかぞえきった」
まあ、嘘じゃないんだろうなって思ったんですけどね。それにしても子供ながら数字の1万まで数える忍耐力っていうのもすごいですよね。
僕は当時ならば1000を数えることだって怪しいだろうなぁ。うーむ今なら多分1万くらいなら数えることはできるだろうけれど途中でいやーになるだろうな。
ある種の才能だったのか?
その友達は絵が昔から上手かった。僕らは両方ともその場所を引っ越してしまったので、会えなくなってしまったわけですが、別れたあとに20歳くらいで久しぶりに再会したんです。
そうしたら彼はデザインの道に進んでいたんですよね。今考えると当時1万まで数えるっていうのは明らかに周りよりも優れた能力であった。
かれは忍耐力が人一倍あったんだろうな。どうしてこんなことを突然思い出したのか?
子供とお風呂に入りながら、最後に10数えていたら彼のことをなんとなく思い出したのだ。元気にしているのだろうか?