漫画と電子書籍の関係はどうなる?ナナのリテラシーを読んで思ったこと

電子書籍と漫画の関係を描いた作品

Kindle アンリミテッドのお試し期間を使ってひたすらコミックスを読み漁ってる日々です。

今日紹介したいのは「ナナのリテラシー」という漫画。

これは鈴木みそ先生が描いた漫画です。

鈴木みそ先生の作品は僕が若かりし頃に幾つか読んだことがあって、絵柄も読みやすいし取材をもとにしたノンフィクションで好きでした。

オールナイトライブとか家にあったな。兄弟が買ったのを読んだ。

そんな鈴木みそ先生の電子書籍に対するほぼ実話な漫画が「ナナのリテラシー」です。

電子書籍と漫画

ナナのリテラシーは全3巻で、非常に読みやすい作品です。

コンサルタント業のアシスタントをしている主人公ナナが漫画業界やゲーム業界を次々に変える提案をして成功を収めていくストーリーです。

漫画の部門で出てくる鈴木みそ吉先生というのは、著者の鈴木みそ先生そのもので内容はほぼノンフィクションになっています(笑)

鈴木みそ吉先生が、単行本が売れなくて出版社と戦争だ!ということでAmazonの電子書籍に自分の漫画をアップして売る。

通常紙の漫画だと印税率は10パーセント。ただKDPだと印税率は70パーセントまで上げることができる。

ここに従来の漫画業界に対する問題提起がなされているわけです。

実際に鈴木みそ先生はKindleの自主出版で売り上げを年間通して1000万達成した!ということで大きくニュースにもなりました。

あのニュースを見たことがある人は、ぜひ見て欲しい作品です。

紆余曲折の末、電子出版までこぎつけ成功を収めた過程が事細かく描かれています。

ゲーム業界とスマホゲーム

そして2巻からはゲーム業界に話が移ります。今まではカセットや媒体のロム自体に容量制限があったので、ゲームって制作費がある程度決まっていた。

それが容量を気にせず作れるようになった頃から、製作費が青天井になってしまった。

回収できない製作費をつぎこんで、ゲームを作ってヒットさせることはもう難しい。

それよりも隙間時間を埋めるスマホゲームで課金を促したほうがいい。

まさに現代のゲーム事情に斬り込んでいます。

僕はゲームも嫌いじゃないほうなので、読みいってしまいましたね。確かにFFシリーズなんか相当製作費かかってるでしょう?

どの程度利益になるのだろうか?昔みたいに決まった容量の中で面白いゲームを作る時代ってもう終わっちゃったんだな。

複雑な思いですね。

ナナのリテラシーはゲーム・漫画好きに読んでほしい

作家が独自に電子書籍をリリースしても、今は売れません。

作家に求められているのは自身のブログやツイッターで販促の努力をするという。そんな時代になってきているのです。

出版社を通して大きくマージンを取られるより、自分で印税率をあげて宣伝して少しの部数でも利益を大きく取っていく。

それを天秤にかける時期になってきているわけですね。

進撃の巨人のような大ヒットケースは本当に稀だと思うんですよ。あの作品は僕も大好きですが、今いる漫画家の1割くらいしかああいった成功モデルにはなりえませんから。

鈴木みそ先生の漫画、どれもこれも緻密な取材をもとに構成されているので面白いですよ。

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