羽生善治さんの本を初めて読んでみました。
「才能とは続けられること」という本なんですが、こちらの本はNHK BSハイビジョンで放送された「100年インタビュー/記し羽生善治」を元に原稿を作成して単行本化された本になります。
なので、羽生さんの著書というよりはインタビュー集といったところですね。細切れにインタビューを掲載しているのでテンポよく1時間程度で全て読み切ることができました。
羽生さんは小学校1年生の頃に初めて将棋に出会ってのめり込んでいったと記載されています。もっと小さい頃から将棋に慣れ親しんでいたのかと思ったらそうでもなかった。
1年生からっていうことは、うちの子供にもまだ可能性があるか!?(笑)
羽生さんがプロの棋士を目指すようになったのは小学校6年生の頃から。そもそもプロ棋士になる方法が僕は知らなかったのですが、プロ棋士の養成機関である奨励会に入会しないといけないとのこと。
でもってこの奨励会に入会するにはプロ棋士の推薦が必要で、試験もある。何歳からでも入会ができるようですが、26歳の誕生日が来るまでに四段に上がらなければ自動的に退会となる厳しい規定がある。
26歳までが勝負ということですね。
昨日まで一緒に指していた先輩がある日突然
「みなさんどうもありがとうございました」
と挨拶をして去っていくなど厳しい世界でもあるのです。
奨励会には150人ほど在籍しているということですが、この奨励会から四段に上がれるのは年間になんと4人だけ。
これは本当に厳しい世界ですね。四段になって初めてプロ棋士と認められ、プロの公式戦に出場できるようになるのです。
ちなみに羽生さんは6級で奨励会に入会し、中学三年生で四段に上がったのでさすが!と言わざるをえないですよね。
昔って将棋を指すのは友達や親、親戚だったわけですよね?ですが今はインターネットのおかげで何時でも将棋を指せる時代になりました。
ですが、羽生さんはコンピューターと対局では、その奥が人なのかそれともコンピューター相手なのかは対局を見ればすぐにわかると言っています。
意外なのは、プロ棋士には殆ど実力差がないとこの本には記載されています。
やはりプロ棋士ですので、どの程度先の手を読むかとかそういう力は拮抗しているという。では勝敗のカギを握るのはなんなのか!?
羽生さんのインタビューより引用します。
集中をたとえると、海の中に潜水していく感覚と似ています。少しずつ少しずつ、深いところへ潜水し、やがてまわりの音も一切聞こえなくなっていくような感じです。
パッとひらめくこと、たくさん手が読めることはひとつの才能ですが、地道に、着実に、一歩一歩前へ進み続けられることは、何よりの才能ではないかと思います。
深いですね・・。羽生さんってどちらかというと天才肌で一気に頭角を表したようなイメージが個人的には持っていたんです。
ですが、羽生さんは大リーガーのイチロー選手のようにひとつひとつをずーっと積み重ねていった。才能とは続けられることのことなんだなって。
前にネットで羽生さんの言葉があったんですが、ズシンと心に響いたものがあります。
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。
報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。
これは将棋以外にもいろいろ当てはまりますよね。まさに人生の名言、格言といってもいいほどズシリと重たい言葉です。
才能とは続けられることは1時間程度ですらすら読めちゃうのでオススメです。